放課後の校舎から見た空は紅かった
あの日、放課後の校舎から見た空は今までに見た事ないくらい紅かった…
もう10何年も昔の話ですね。
中学3年生の頃、好きな女の子が居ました。いや、もしかしたら小学校の頃から好きだったのかもしれません。
その子とは小学生の頃か仲が良く、物心付いたころから一緒にいた記憶があります。
でも思春期になるにつれ距離は離れてゆき、中学3年の頃は案の定全く話せなくなるまでになりました。
何度その子を夢に見た事でしょうか。
学校に行けばいやでも目に付くのに、
夢の中ではその子と二人で都合のいい世界を描いていました。
しかし月日の流れは時に残酷で、その子と少しも距離の縮まらないまま卒業式はあと3日の所まで近づいていました。
受験も終わり、頭の中はその子の事で一杯になりながら、
同じように受験のプレッシャーから解放された友人たちに囃し立てられ、その子の名前を暴露してしまいました。
友情からか、おせっかいからか、はたまた面白がってただけなのか、友人たちは卒業までに告白しろと私の背中を押し告白のセッティングまでしてくれたのです。
友人によって呼び出されたその子を連れて屋上前の踊場へ…。
夕日が二人の横顔を照らす中、積もりに積もった想いを告白しました。
結果から言うと、玉砕。
付き合うことは出来ないと断られ、わざと明るく振舞いながら友人たちへと報告しました。
みんな中学生なりの精一杯の励ましをしてくれ、ほんの少し晴れた気分で私は帰路に着きました。
あの日告白出来ていなかったら…私は今頃どんな毎日を過ごしていたのでしょうか。
あの時の友人たちの行動が正しかったのかは分かりませんが、今でも彼等には感謝しています。
あの日と同じような真っ赤な夕日を見ると、
今でも時々彼女を思い出したりします。