恋愛体質な私
昔から恋愛体質だった私は、高校生の頃から彼氏がいない時期というのがほとんど無い。
一人が寂しくて、寂しさを癒してくれるなら誰でもよかった。
派手な格好をしていたので、、チャラチャラした感じの男の人から言い寄られる事が多かった。
自分のこの恋愛体質がなぜ出来上がってしまったのか、そのルーツには恐らく家庭環境にある。
父と母は今でもかろうじて婚姻関係を続けてはいるが、まさに仮面夫婦。
父は昔からどうしようもない人だった。
外に彼女を作っては、何日も家に帰ってこないのが当たり前になっていた。
仕事だけは真面目だったため、生活費は滞ることなく入れていたらしい。
父に対してすっかり愛情の無くなっていた母は、生活費さえ入れてもらえればよかったようだ。
だけど当時まだ小学生だった私は、父のいない生活がとても寂しかった。
友達の家に遊びにいって、よそのお父さんとお母さんが仲良くしている光景を見るのがつらかった。
子供の頃のそういう思いが、今の私の恋愛体質の根底にあるような気がする。
今付き合っている彼は、顔もタイプだし背も高く大好きだ。
だけど商社マンである彼は、とにかく出張も接待も多い。
月に1度会えれば良いほうだし、メールしても返事が返ってくるのは数日後なんてことにももう慣れてしまった。
好きな人への執着心が人一倍強い私には、そんな彼とのお付き合いは、むしろ辛いものだった。
そんな時に私に好意を持ってくれたのは会社の同期の男性だ。
月に一度は同期会と称して男女数人で飲みにいっていたため気心しれた仲だ。
彼氏がいることはなんとなく話していなかったので、私がフリーだと思っていたようだ。
ある日の飲み会の帰りに告白された。
告白されたとき、自分には彼氏がいるんだと話せるタイミングはいくらでもあったのに、私は言わなかった。
代わりに、「よろしくお願いします」とOKの返事をしている自分がいた。
それが二股の始まりになるという認識は十分にあったのに、それよりも、寂しさから逃げる気持ちが勝ってしまったのだ。
さすがの恋愛体質の私も二股は初めてだった。
初めはどちらかにバレはしないかとひやひやしていたが、今ではそのスリルを楽しんですらいる。
自分のしたたかさが嫌になることもあるが、本命彼との寂しい毎日に耐えられる自信もなく、
どちらかにバレてしまうか振られてしまうまでは、この二股生活が続きそうだ。