誰にも言えない恋

二股とか不倫とか、私には無縁だと思っていた。
父親が、不倫の末家を出て行き両親は離婚。母が大変な苦労をして私たち兄弟を育ててくれたのを見ているのもあり、
むしろその類のものには強い嫌悪感をもっていた。

だから、私はいまだに、自分のしている事に自分でびっくり事がある。
こんなにもずるくて、打算的な一面が自分にはあったのだと。
私にはもう長くお付き合いをしている彼がいる。
はっきりとは口にはしないものの、お互いうっすらと、結婚を意識してはいる。
だけど、長く一緒にいすぎてタイミングがわからないのが彼の本音だろう。
いっそのこと彼が遠くに転勤にでもなればいいのに。そしたら結婚の話も出るだろうに。なんて思ったりもする。
そんな平穏とも平凡ともいえるお付き合いを長く続けていた私が、
ある男性との出会いにより思いがけず刺激的な恋愛に足を踏み入れることになった。
問題の男性とは、人数あわせのために半ば強制的に連れて行かれた飲み会で出会った。
その人は、何の抵抗もなく子供の話をしていたので、既婚者だということは初めからわかっていた。
それなのに、私はその男性になぜか惹かれてしまっていた。
彼も同じだったらしく、自然に番号を交換することになった。
私は二股、彼は不倫。
そんな不毛な関係が、より自分の気持ちを盛り上がらせているのかもしれない。
なかなか会えない分、会える時は前の日から顔のマッサージやパックをかかせない。
でも、うきうきしながらお肌のお手入れをしつつも、ほんの僅かな良心がそんな自分を汚らわしくも思う。自分の気持ちがよくわからない。
抜け出せなくなってしまう前に、この関係をどうにかしなければ。

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