びびびっと来た

もう30年以上前のことになろうか。
当時人気絶頂だった女性アイドルが、そのときお付き合いしていた俳優と結婚することになり、会見を開いた。

馴れ初めについての質問で「ビビビっと来ました」と話し、この言葉が当時大流行したという。
私がまだ生まれる前の芸能界の話題なのに、ずっと語り継がれていくほど、その文言が印象に残ったということだろう。
私はこの「ビビビっと来ました」について、よく頷ける。

合コンで顔を合わせた瞬間から「あ!この人だ!」と電気が走るようになるのである。
これは私だけに走る電気ではなく、互いの間に一瞬で流れる。
具体的には目線がピッと合ってにっこりと微笑んだりしているが、自分の中では電気が走っている。

互いに「この人!」と思ったからか、席順を決めるときに、なんとなく自分たちが近くになるような話の流れに、どちらともなくしていくのが分かるのだ。
でも何も知らない友達の邪魔が入ってしまい、席は遠くなることもよくある。

二人での会話はできないが、みんなに投げかけた質問も、私だけに投げかけているのが分かる。
こんな風に思うなんて、どんだけ私は自意識過剰なんだ!とも思うが、席替えをしてやっと隣や向かい合わせの席に移動したときに、「やっと話せたね」という親密な空気が流れる。

時間が経っているので、流れるのが電気から空気に変わっている。
その空気が温かくなり、二人の空間を丸く包む。
周りから冷やかされたりするが、それに構うのが面倒だと思うくらい、良い雰囲気になる。
やはり、いつも恋はビビビからスタートするのだ!

彼自身ではなく幼馴染に恋をした私

幼馴染と恋が芽生えるってよく小説やドラマである話ですが、実際はそんなに多くあるものなのかなと不思議に思っていました。
そう思っていた私ですが、実は幼馴染と恋をしたのです。
自分でまさかの展開にびっくりしました。

それは、小学校・中学校で同じだった男友達がいました。クラスも同じで結構仲良く遊んでいました。
そして、中学の時にお父さんの仕事の関係で引越しをした友達。
なんと、その友達と大学で出会ったのです。
びっくりしました。
4月の入学式に出会い、二人ですぐにお互いのことが分かりました。
しかも、二人とも実家から500キロ近く離れた大学に来たのです。
日本にたくさんある大学の中からまさかお互いここを選ぶとは!と思い、急に運命の人の様な感覚になりました。
もちろん、私だけではなく友達もそう思ったそうです。
そして、運命に踊らされて?私たちは付き合い始めました。
全く知らない土地に実家から離れた寂しさ、また地元の話や共通の思い出話に花が咲き、それはもうこの人と結婚するのではないか…と思うほどでした。
夏休みに帰省する時に実家に一緒に戻り、親ももちろん相手のことを知っているので、大歓迎してくれました。
また、相手の実家でも懐かしんでくれて、みんなで卒業アルバムを見たりもしました。
運命と懐かしさ、さらに故郷を離れた孤独感を相手で補おうとした私たち。
全てを受け止めてほしくて、甘え過ぎたのでしょう。
わがままをお互いに言い過ぎて別れたのですが、やはり今でもいい友達です。
何でも話せる相談役として彼氏から友達に変わった彼。
幼馴染と言う言葉に恋をしていた自分に気が付きました。
今でもいい思い出です。
友達として存在してくれる彼にとても感謝しています。

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